2016年11月11日

『怒り』鑑賞 前編 - 音楽は坂本龍一

『怒り』鑑賞。

監督:李相日
音楽:坂本龍一
出演:渡辺謙、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、広瀬すず、宮崎あおい、妻夫木聡ほか
原作:吉田修一
公式サイト
http://www.ikari-movie.com/

原作は昨年夏に読んだけど、ラストシーンを覚えていなかった。今年、文庫で再読したが途中で挫折。主要な登場人物の背景はだいたい判っていたので、映画では群像劇に集中できた。後半、不覚にも涙が数回滲んだ。豪華なキャスティングの役者さんの演技と坂本龍一の音楽の相乗効果で、涙腺が刺激された。サントラの『M17-真実』を聴きながらブログに記録しているが、涙が溢れそうになっている。映画の幾つものシーンが脳裏に蘇る。PG12でショッキングなシーンも多いので、地上波でノーカットで放送できるのかしら。しかし家族やカップルで観る映画ではないような気がするので、気になる方は映画館で観るころをお勧めします。

以下ネタばれです。
先入観なしに観たい方はここまで。










不快な語彙や描写があるかもしれませんがご了承ください。






本当にネタばれです。
読みたくない方はここまで。
とても長いです。








冒頭でショッキングなシーンが連発。きっちり区画整理された住宅地での陰惨な殺人現場。歌舞伎町の風俗店では、ベッドにランジェリー姿でしな垂れて寝ている家出した娘を見た父親。都心のプールサイドでビキニパンツで踊り、酒を飲む男たち。仄暗い別室では男同士が息を荒げて身体を貪り合っている。白いボクサーパンツを履いた男がワンナイトの相手を求めて部屋に入ってくる。部屋の片隅にいた男と感染症予防の装具をつけて交わる。
PG12ですが文字にするセンセーショナルですね。わたしの隣は二つ空席で座っていた若い女性おふたりの動揺した空気が伝わってきました。
青い海が綺麗な沖縄で、無人島に暮らす男性と本土から引越しきた女子高生が出会う。

映画では千葉、東京、沖縄の3つの物語が進行し、それぞれに過去が不明な男と出会う。謎の男たちが指名手配の殺人犯の風貌に少し似ている。誰が犯人なのだろうか。

千葉編では父、洋平は家出した娘を自宅に連れ帰り、洋平と軽い知的障害(明確な台詞はない)の娘の愛子が、数か月前から父の勤務先の漁港で働く青年の田代と出会う。田代に好意を寄せる愛子がなにかと心配な父。洋平を渡辺謙、愛子は宮崎あおい、田代を松山ケンイチが演じた。原作では愛子はぽっちゃりしていたので、宮崎あおいは7キロ太って撮影に挑んだ。愛子は満面の笑みで、言葉数が少ない田代にお弁当を手づくり。宮崎あおいの主演ドラマや映画をあまり見たことがないが、朝ドラのヒロインの姉役はよかったし、今回は難しい役を好演。松山ケンイチは、役ごとに容姿を変化させるカメレオン俳優。台詞が少なく仕草や表情から憂いが伝わってくる。渡辺謙は存在感があるのに親父姿が漁港に馴染んでました。また洋平と愛子の自宅の家具や小物などに生活感があり、美術スタッフの仕事にも注目。

東京編はゲイパーティーで知り合った住所不定の男と同居生活を始める会社員。会社員の優馬を妻夫木聡、住所不定の男の直人を綾野剛が演じた。妻夫木聡は野田秀樹の舞台で弾けた演技がよかった。ワイシャツのボタンを外して肌蹴てワイルド。仕事はできるが人との距離を取り、余命わずかな母を想う。綾野剛といえば朝ドラ『カーネーション』のヒロインの不倫相手。影のある演技に毎朝ドキドキしました。今回も多くを語らないが、同棲相手の母への優しい仕草などに印象的でした。東京編を演じたお二人の役者さんは、撮影中はホテルで毎日寝食を共にしたそうです。ベッドで横たわるふたりの全裸に、わたしの心の声は伏せます。ふたりの役作りの意気込みに圧倒。

沖縄編では無人島で暮らす男と母子家庭の女子高生が出会う。サバイバルのような生活に適合してしまう男の田中、男性に対して節操が無い母が嫌いな女子高生の泉。泉はサバイバル男に近づく。サバイバル男の田中を森山未來、女子高生の泉を広瀬すずが演じた。役作りのエピソードでは森山未來は無人島暮らしを体験し、ダンスで鍛えたしなやかで強靭な身体能力を披露。広瀬すずはキーなる事件の撮影に果敢に挑んだ。

愛子は田代と一緒に暮したいと父に懇願。父は素性が判らない田代に不信を抱いていることを話す。愛子は田代が親の借金で自分にも返済義務があり逃げていることを聞き、信じていると父に訴える。洋平は愛子の熱意に根負けし、同居生活を認めるが、その矢先にテレビの公開捜査で指名手配犯が田代が似ていたので、田代の履歴書を確認して車で外出。


沖縄では泉が同級生の辰哉(佐久本泉)にデートに誘われる。町を歩いていると田中に出会い、三人は居酒屋で飲んでいた。辰哉は泉に好意を寄せていて田中の存在が気になり、お酒を飲みながら絡む。泉は田中と別れた後に、酔っぱらった辰哉と逸れてしまう。辰哉を探し歩くと歓楽街のスタンディングバーでは、泉に外国人が声をかけてくる。駆け足でその場を立ち去るが、公園で米兵ふたりに抑えつけられ犯される。泉の閉じられた目から涙が滲む。足を梳くんで動けず公園の片隅で震える辰哉。サントラでは、この事件に該当の『M-10』がない。ネット友のツイートによると『M-10』は事件現場の公園に隣接する住宅でピアノの練習している少女が弾いてバッハの曲と教授が回答。音による演出の対比が印象的なシーン。
未成年の佐久本泉は大人たちの飲酒風景を観察して居酒屋でお酒を飲むシーンを演じた。お酒をこぼしたのはハプニングで、森山未來も広瀬すずもアドリブで演技を続け、カットにならなかったとパンフレットに記載。

優馬の母が亡くなり、葬儀に直人を呼ばなかった。学生時代の友人や職場の同僚に、直人の関係を説明できなかったから。ふたりで母を埋葬する霊園を探す。優馬は直人に「一緒の墓に入るか」と尋ねる。暫く経って、直人がカフェで若い女性と談笑しているところを見かける。ゲイ仲間の空き巣犯は共通の知り合いではないかの憶測やカフェの女性と関係に疑念を抱く。問いつめると直人が家を出て行っていた。連絡が取れなくなり、初めて会った時に指名手配犯人に似ていたことが気になりネットで検索。そこへ警察から連絡が入り、全てを拒絶。
洋平は田代に前の職場を尋ねて、偽名だったことや経歴に不審があることを、姪の明日香(池脇千鶴)に相談する。明日香は愛子に全てを話す。伯父に「愛子が幸せになれないと思っていない」と尋ねて、愛子なりに理解していること伝える。愛子は指名手配犯のポスターを見つめる。愛子はずぶ濡れになって実家へ帰る。父に田代を信じたけど、信じられなかったので警察に通報していた。でも働いたお金を田代のリュックにこっそり入れていた。
田中が勤務先のホテルの厨房で大暴れで、食器や調理器具を破壊していた。辰哉は田中も泉の強姦現場で何もできなかったことを聞かされ、同士のような感覚だったので唖然とする。嵐の中、田中は逃亡。

三人の男たちが逃亡でクライマックスですが、長くなったのでここまで。
あらすじの要約のような内容になってしまった。


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posted by 美結 at 10:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・邦画 | 更新情報をチェックする
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