2010年03月12日

川上未映子さんが文化庁が発表した2009年度芸術選奨文部大臣賞で新人賞受賞

2010年3月12日に川上未映子さんが文化庁が発表した2009年度芸術選奨文部大臣賞で新人賞受賞。

詳細は以下で
http://www.bunka.go.jp/geijutsu_bunka/souzoukatsudou/sensho/21_geijutsu_sensho.html

川上未映子氏の『ヘヴン』は,イジメという,現代社会のもっとも困難な病根のひとつを扱った中編小説だが,時代的にも社会的にも特殊と思われるこの病根のなかに,人間に普遍的な問題を見事に浮かび上がらせた秀作である。思想は,イジメられる側では殉教の論理,イジメる側では無関心の論理として展開されるが,結末では新たな生命の次元が示唆される。平易な読物でこれほど深い次元まで掘り下げる手腕は得がたく,今後が大いに期待される。


◇いじめ題材に思索的な作品で反響呼ぶ 作家 川上未映子さん(33)

受賞作「ヘヴン」(講談社)は長編小説。中学生のいじめを題材に、善悪の根拠を問いかける思索的な作品で、昨秋の刊行以来、大きな反響を呼んだ。
「10代から90代までお便りをいただきました。物語に入り込んだ手紙が多く、私だったらこうするとか、書いて下さっているのもうれしかった」
07年にデビュー。08年に「乳と卵」で芥川賞受賞。詩や歌手、女優としても活躍しているが、その源にあるのは、世間の常識にとらわれず、物事を深く考えたいという志向だ。
「人は日々の行動の中で絶えず、どういう選択をするか、突き付けられています。なぜ、そうするのかを問い詰めたい」。現在は書き下ろし作品に取り組む


毎日新聞
http://mainichi.jp/select/today/news/20100313k0000m040042000c.html?link_id=RTH04

川上さん、受賞おめでとうございます。

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posted by 美結 at 23:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 川上未映子 | 更新情報をチェックする

2009年12月05日

キノベス2009年度1位 川上未映子『ヘヴン』〜問いかける小説

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川上未映子『ヘヴン』
キノベス2009年度1位。

BOOKデータより

「僕とコジマの友情は永遠に続くはずだった。もし彼らが僕たちを放っておいてくれたなら―」驚愕と衝撃、圧倒的感動。涙がとめどなく流れる―。善悪の根源を問う、著者初の長篇小説。


川上未映子さん特別寄稿 決心あらたに思うこと
http://www.kinokuniya.co.jp/01f/kinobes/2009/essay.htm

読む前は痛くて苦しく挫折するのでは思っていた。前半は冷静に読んでいた。中盤、目を逸らしたくなる描写で痛さを感じる。後半は見事で圧倒された。読み終えた後、感動や悲しいとか判別できない涙が一雫おちた。また、落ち込むこともなかった。
とても色んなことを訴えてきて、考える小説。さすが芥川賞作家の渾身の1作。川上さんの代表的な作品になると思う。

もし、興味を持ったなら、ナーバスやネガティブな感情でないときに伊読むことをオススメします。

以下、核心部分に触れているので先入観なしに読みたい人はここまで。






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posted by 美結 at 18:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 川上未映子 | 更新情報をチェックする

2008年04月19日

芥川受賞作 川上未映子『乳と卵』

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川上未映子『乳と卵』
芥川賞受賞作。
豊胸手術をするために娘と上京した巻子。
娘の緑子は初潮を迎えることについて真剣に考える。
この母娘とわたしが過ごした日々が綴れる。

題名はチチトラン。チチトタマゴではありません。
読み終えた直後は痛かった。こんなにも女性性について真に捉えた作品と思ってもみなかった。関西弁で綴られることはそんな気にならなかったが、一文が凄く長く、一気に読めず、少しずつ文章を追っていた。情景描写は常に観察しているよう。この本では観察がキーワード。娘は冷めた目線で生理や妊娠、母のことは哲学する。思春期は身体や心が不安定で、成長が早くても遅くても悩みの種になる。子供を生む準備が整ったことと性教育を受けても、なんかピンとこなかった。身体には大人の兆しが現れていたけど、そのうち理解できると思った思春期の初め。4月生まれなので心身とも成長は同級生の中で早く、かなり戸惑いがあったことを覚えている。すべての大人が当時のことを覚えているかによって、この娘の洞察の受け入れ方が違うと思う。
母が何故豊胸したいと思うのか、明確な理由は判らないが、シングルマザーとして生きてうえで、なにか補おうとした結果。銭湯で胸の品評会をするところは、凄い執着心。そしてクライマックス。一文が4ページに渡り、母と娘の感情が爆発し、生卵を投げあうシーン。この話は母性と父性を問いかけたのかと気がつく。
いくつなっても悩むことがあって、女性の場合は思春期と40代に心身に劇的な変化が訪れて、モヤモヤ、フツフツ、ズキンズキンするのよね。
ともかく痛かった。
独自の道を歩んで欲しいですね。
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posted by 美結 at 11:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 川上未映子 | 更新情報をチェックする