2013年01月03日

柴田錬三郎賞受賞 角田光代『紙の月』

紙の月紙の月
角田 光代

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角田光代『紙の月』
第25回柴田錬三郎賞受賞。
読みだしたらノンストップでした。銀行から巨額のお金を横領し逃亡した梨花。犯罪に手を染める動機は?角田さんが描く心の闇を題材にした作品は好き。
お金は魔物。生活をするうえで必要だけど、溺れてしまったらアウト。しかし、犯罪に手を染めることはなくても、借金で苦しみ自転車操業をしている人は多いのかもしれない。

日経平均が右肩上がりだった頃に、仕事で出納担当や9ケタの金額の伝票や当時時価評価で多額な金額の証券を見ることがあった。金融関係に勤めていたのではないですが、資産を運用、管理する部門にいました。定期的に会計監査や税務調査があれば、ピリピリした空気が流れていた。とても悪いことができる雰囲気ではなかった。また、実家は、豪華食事ではないが三食食べることができ、衣類は親族で一番上だったのでおさがりを着たことがなかった。母が手作りしたワンピース、祖母の手編みのチョッキなど、既製品でない洋服を着ていた。裕福ではないが、貧乏ではない生活。子どもの頃は几帳面な性格でお小遣い帳を記録。あまりおねだりをしたことはない。結婚後、夫婦でお金の使い方は話すけど、お金の価値観が極端に違うことはなかった。赤裸々に生活を書くことを避けていたが、この作品はお金の価値観や育った環境が重要だから、敢えて記す。

以下ネタばれがあります。
先入観なしに読みたい方はここまで。

記事は続きます。
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2012年10月18日

角田光代『かなたの子』泉鏡花賞受賞

角田光代『かなたの子』泉鏡花賞受賞。
金沢市が主催する第40回泉鏡花文学賞が、角田光代さん(45)=写真=の「かなたの子」(文芸春秋)に贈られることが17日決まった。
「かなたの子」は八つの短編からなる作品集。主人公たちの逃れられない過去や記憶に残る罪悪感を題材に、角田さん独自の幻想世界を表現力豊かに描き、人間の業といった命の本質について考えさせる作品となっている。選考委員の嵐山光三郎さんは「イメージが斬新で物語が深い。一つ一つの物語が胸に破片となって突き刺さってくる」と評価した。
http://mytown.asahi.com/ishikawa/news.php?k_id=18000001210180001

角田さんは文学賞受賞が続いている。
既読は★

1990年 - 第9回海燕新人文学賞(「幸福な遊戯」)
1996年 - 第18回野間文芸新人賞(『まどろむ夜のUFO』)
1997年 - 第13回坪田譲治文学賞(『ぼくはきみのおにいさん』)
1999年 - 第46回産経児童出版文化賞フジテレビ賞(『キッドナップ・ツアー』)★
2000年 - 第22回路傍の石文学賞(『キッドナップ・ツアー』)★
2003年 - 第3回婦人公論文芸賞(『空中庭園』)★ 
2005年 - 第132回直木三十五賞(『対岸の彼女』)★ 
2006年 - 第32回川端康成文学賞(「ロック母」)
2007年 - 第2回中央公論文芸賞(『八日目の蝉』)★
2011年 - 第22回伊藤整文学賞(『ツリーハウス』)★
2012年 - 第25回柴田錬三郎賞(『紙の月』)
2012年 - 第40回泉鏡花文学賞(『かなたの子』)

『紙の月』と『かなたの子』は是非読みたい。

かなたの子かなたの子
角田 光代

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紙の月紙の月
角田 光代

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2010年07月26日

【第2版】親子の関係を描く 角田光代『ひそやかな花園』

ひそやかな花園ひそやかな花園
角田 光代

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角田光代『ひそやかな花園』
夏になると親子でキャンプに参加。子供たちは、この集いがなにか知らなかった。やがてキャンプは中止になった。
大人になった子どもたちは再会を望み、集いの目的を知ろうとする。

倫理的に重いテーマだった。
男性か女性、年齢、結婚観、家族への思いなどで感想はかなり違う。
終わり方は、道しるべがあったのが良かった。
ネタばれしないで書くのは不可能。
なので、先入観なしで読みたい方はここまで。

特設サイト
http://mainichi.jp/enta/book/hanazono/









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posted by 美結 at 21:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 角田光代 | 更新情報をチェックする

2009年01月11日

お受験を考える母たちを描く 角田光代『森に眠る魚』

森に眠る魚森に眠る魚
角田 光代

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角田光代『森に眠る魚』
近隣住む主婦5人。
結婚してからの友達と喜んだ彼女たち。
あることがきっかけで「お受験」を考えるように、その関係に軋みが生じる。


母たちは出会ったころは心が許せるママ友達が出来そうと喜び、我が家の教育方針があったはずなのに、ひょんなことから子どもの将来を考えて付属幼稚園に合格するために幼児教育施設、ボランティア活動などの情報交換するうちに軋みが生じる。
そこから見えてくる母たちの生い立ちや育った環境。
物語は1996年から始まる。この数年前に30代の主婦向けの雑誌が創刊した。妻、母でも美しく、生活に疲れていない溌剌した女性像をモデルにした。現在はそのお姉さん雑誌、40代の主婦を対象した雑誌も出版している。高級ブランド、優雅にエステや旅行、お料理は手の込んだレシピが紹介されている。その女性たちは10、20代のころ、流行を取り入れた雑誌を読みマニュアル世代とも呼ばれバブルの恩恵も知っている。
この本に登場する女性たちはその世代や前後。
やがて少しずつ露呈してくる優越感、劣等感、自己顕示欲、自慢話をしているつもりでなくても、受け取り方で鼻持ちならなかったりなど。
誰しもその感情はあると思うし、どこか似たような性格と知り合ったことがある人で、すごくリアリティがあって、読んでいるものがその感情の渦に巻き込まれそうな錯覚をした。
集団になると沸いてくる黒い渦。
できれば、黒い渦に巻き込まれたくないから、マイペースを保つ。
「ひとつだけの花」のように、誰にだってよいところがあると思うから、なるたけネガティブが感情は自己解消する(したい)。
ある印象的なシーンを読みながら、自分の立ち居地を確認。

出会う人によって、運気が変わることを実感することが多い。
集団と個人。
黒い渦の描写は壮絶です。


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2008年11月28日

思い出ともに溢れる涙、短篇集、角田光代『Presents』

Presents (双葉文庫)Presents (双葉文庫)
角田 光代

双葉社 2008-11-13
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角田光代『Presents』
プレゼント、贈り物をテーマに書かれた短篇集。

・名前
出産を控えた春子は、生まれてくる子どもの名前を考えながら、なんで自分は平凡な名前なのかしら、と考えていた。

・ランドセル
入学前にランドセルを大切なものを詰め込む少女。母に家でもするつもりと聞かれる。大人になった少女の思い。

・初キス
ファーストキスの思い出。

・鍋セット
大学入学を機にひとり暮らしを始めた。母は大・中・小の鍋を買ってくれた。

・うに煎餅
恋にゆれる女心。

・合い鍵
恋人からもらった数々のもの。

・ヴェール
学生時代からの友人たちに祝福される花嫁、それまでの道のり。

・記憶
浮気が発端に夫婦喧嘩。

・絵
息子のサスケはやんちゃ。その息子をかいた絵を見た母は・・・。

・料理
高熱を出し寝込んだ主婦。夢か幻想か、要望か、温かい感触に包まれる。

・ぬいぐるみ
花嫁は結婚式前夜も夜通し飲み、当日は顔が脹れたと大騒ぎ。お赤飯を用意した母は、嫁ぐ娘を見つめながらある決断をしていた。

・涙
痴呆性の老人は、自分はだれかしらをと考えていた。

長くなります。多分。
ネタバレはないと思う。続きを読む
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2008年11月12日

本のエピソードが詰まった短篇集 角田光代『さがしもの』

さがしもの (新潮文庫 (か-38-4))さがしもの (新潮文庫 (か-38-4))

角田 光代

新潮社 2008-10-28
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角田光代『さがしもの』
どの作品にも必ず本が登場する短篇集。
単行本『この本が、世界に存在すること』を文庫化で改題。

一昨日晩から腹痛が起き、昨日は病院に行き、午後からは熟睡。夜には幾分よくなってきたので、ネット書店から届いたばかりのこの本を読んでいた。体調や心理的ななにかが起因したのか、いくつかの物語で涙が浮かぶ。わたしの本の記憶が呼び起こされたものもあった。
子どものころから凄く本を読んだわけではないが『赤毛のアン』『秘密の花園』『メアリーポピンズ』『くまのパディトン』は好きな本。
中学3年の秋、受験勉強が手につかず、家にあった本を読み続けた。『あすなろ物語』『ビルマの竪琴』『点と線』『アンネの日記』など読んだら、翌月の国語の学力テストは想像以上に好成績。同時に自分にとって相性がはっきり分かれる本があることを知る。受験の時は相性のいいテスト問題であることを願った。
20歳前後に村上龍、村上春樹の本と出合う。今も好きな作家ではあることは変わらない。
数年前から、コンスタントに本を読むことが日常化。年間100冊にはいかないけど、色んな世界があり開眼することもあった。読んだ本にはそれぞれエピソードがあるけど割愛。
昨日は病院からの帰り道、数件の本屋を覗きある本を探していた。探している棚付近で『さがしもの』が目に入る。この本は昨日注文した。どの本屋でも『さがしもの』と出合った。本に呼ばれることは間々あります。探し物して『さがしもの』ってエピソードはわたしだけかな。
角田さん、あとがきの質問の答えはこれでいいでしょうか?

本好きさんは是非お勧めたい本。
どこで出会ったか教えて欲しいな。


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2007年04月17日

母性の物語 角田光代『八日目の蝉』

八日目の蝉八日目の蝉
角田 光代

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角田光代『八日目の蝉』。
希和子は愛人の愛娘を誘拐し、薫と名づけた。素性がバレルのを恐れながらの逃亡と育児。だんだん愛情が芽生えてくる。薫を離したくないと感情が膨らんでくる。

赤ちゃんを誘拐。ミステリーの要素を持ちながら、前半は母と子の逃亡記。犯罪者なのに血の繋がりのない親子を応援している。それは希和子の母性が前面に出ているからなのだと思う。後半は目線が変わり、家族の物語へ。前半の主観的な部分が、客観視しされ、事件のありようがまざまざと浮かび上がる。ミステリーの解明。希和子が事件犯すまでの経緯と逃亡、引き離された家族など。誘拐された薫自身の心情など。読んでいると、週刊誌の報道記事を読んでいる気分になるので、少し辛くなるが、最後は救いのある終わり方が良かった。
家族、子供を育てる環境などを問う形が、角田光代らしい表現の仕方でよかった。これはお勧めの一冊です。
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