2013年01月10日

舩橋淳『フタバから遠く離れて――避難所からみた原発と日本社会』

フタバから遠く離れて――避難所からみた原発と日本社会フタバから遠く離れて――避難所からみた原発と日本社会
舩橋 淳

岩波書店 2012-10-17
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舩橋淳『フタバから遠く離れて――避難所からみた原発と日本社会』
同名のドキュメンタリー映画『フタバから遠く離れて』の公式パンフレット。
監督自ら映画撮影のエピソードを明かす。

映画の感想は以下に書いています。
多くの人に観て欲しい映画『フタバから遠く離れて』-エンディングテーマは坂本龍一『for futaba』
http://greenfieldsgreen.seesaa.net/article/300184134.html

双葉町は財政難から原発を誘致、原発マネーは雇用を生み、公共投資で町は豊かになった。原発は打ち出の小槌だった。2011年3月11日にM9の東日本大震災、大津波、さらにレベル7の原発事故が起き、町民は着の身着のまま避難。本書でも書かれているがSPDEEIが公開されなかったことで、町民は放射能とも移動。悔やんでも悔やみきれない様子が伝わってくる。さらに安全神話。町長も撮影を続けていると監督と会話することが増えている。

双葉町町長と舩橋監督の対談は現在も再生可能。
【追記版】「NO NUKES 2012 双葉町町長+舩橋監督」アーカイブ放送
http://greenfieldsgreen.seesaa.net/article/280161932.html

現在、双葉町の議会は解散。
・福島・双葉町で議会解散 町政停滞、復興に遅れ懸念 2013.1.4
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130104/lcl13010408430000-n1.htm

わたしは東京育ちで高度経済成長の中で成長した。利用してきた電気のうち、新潟や福島で原発で作られたものもある。東日本大震災直後、計画停電を経験し、身の回りには電気を使わないと動かないものばかり。お風呂の給湯、ガスファンヒーターなど。6時間経験すると生活に支障がでてきた。多くの被災地で避難生活をしている人に比べたら…と思ったが、余震の恐怖、報道の信憑性などで不安は募っていった。
原発事故による健康問題への不安や、核のゴミの保管など、原発は問題を山積。元に戻るには長い年月がかかる。経済成長に原発は必要という意見もあるが、本書を読めば考えが少しは変わるかもしれない。新潟中越地震で原発の安全性が危惧されたが見直されることはなかった。原発事故を二度と起こさないでほしい。

フタバから遠く離れて 公式サイト
http://nuclearnation.jp/jp/

◆映画情報
1月19日(土)〜1月25日(金)まで福井・メトロ劇場 
http://www2.interbroad.or.jp/metro/ 
2月23日(土)〜3月15日(金)までオーディトリウム渋谷でアンコール上映
http://a-shibuya.jp/
3月5日(火)〜3月11日(月)まで北海道・蠍座
http://movie.walkerplus.com/th35/

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タグ:舩橋淳 映画
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posted by 美結 at 15:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | は行の著者 | 更新情報をチェックする

2012年10月07日

平野啓一郎『私とは何か――「個人」から「分人」へ

私とは何か――「個人」から「分人」へ (講談社現代新書)私とは何か――「個人」から「分人」へ (講談社現代新書)
平野 啓一郎

講談社 2012-09-14
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平野啓一郎『私とは何か――「個人」から「分人」へ』読了。
人は、相手によって対応、態度が変わる「分人」。
両親、配偶者(恋人)、家族(親族)、ご近所、友人、職場で、違う面をもつ。
ネットとリアルの顔が違うケース。
使い分けているつもりはなくても、違っていることはあると思う。

わたし自身、幾つものオフ会に参加して
「よくしゃべった」
「意外に明るいんだね」
「クールな人で、冗談は通じないと思った」など、さまざま。
演じているつもりはないが、熱いのに冷静な自分がいるのは自覚している。
一度会ったら忘れないと言われるので、インパクトがあるのでしょう。
朝ドラの『純と愛』の愛くんには、どう映るのだろう。

人生の中では、他者の意外な性格を見たこともある。
ネットで偽りの人生。(まさに分人)
友人だった人の意外な一面。
ネットとリアルの人物像が違った。(よくあること)
上記のようなことを知った時、わたしは受け止めるのに時間を要することもある。
この本を読む前から、人には色んな面があると認識していた。
「分人」と思えば、気が楽になる。
平野氏の新書はご自身のエピソードを交えて簡潔で分かりやすい。
自分探究的な内容ではなく、「分人」という考えがあると、人間関係の一助になるかも。
押しつけもないし、中学生でも読める情報量。
この本を書くきっかけになった『決壊』『ドーン』を再読したい。

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posted by 美結 at 06:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | は行の著者 | 更新情報をチェックする

2012年07月27日

平野悠『ライブハウス「ロフト」青春記』が発売、坂本龍一、山下達郎が巣立った伝説のライブハウスクロニカル

ライブハウス「ロフト」青春記ライブハウス「ロフト」青春記
平野 悠

講談社 2012-06-26
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平野悠『ライブハウス「ロフト」青春記』が発売中。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4062177099.html
詳細
ARB、浜田省吾、サザンオールスターズ、荒井由実、竹内まりや、BOOWY、スピッツ…日本のロック・フォーク界のスーパースターを育てた「聖地」の主が初めて語る「楽屋裏」のDREAM FANTASY―。
第1章 開宴―失業、そしてジャズ喫茶を開店
第2章 飛躍―西荻窪ロフト編
第3章 追撃―荻窪ロフト編
第4章 革命―下北沢ロフト編
第5章 天下御免―新宿ロフト編vol.1
第6章 爛熟―新宿ロフト編vol.2
坂本龍一、山下達郎、浜田省吾、サザンオールスターズらを輩出してきた伝説のライブハウスの創始者が明かすロック界の「裏面史」!
坂本龍一、山下達郎、荒井由美、浜田省吾、サザンオールスターズ、ボウイ、スピッツ……日本のロック界のパイオニアたちを輩出してきたライブハウスの「虎の穴」が「ロフト」。その創始者が40年におよびロック界の波乱の歴史を回顧する壮大なクロニクル。歌謡曲に対するカウンターカルチャーとして、ロックが市民権を得て成長していった軌跡を、アーティストたちの素顔や、業界の生々しい実情とともに明らかにする。


講談社のサイトから
坂本龍一
「たまたま同じ駅の近くに小学生の時から住んでいたので、初期の烏山ロフトにはほとんど毎日顔を出し、ずいぶん濃密な時間を過ごしたものだった。有り余る時間があったんだなあ。」

<坂本龍一から平野悠へのメッセージ>
ぼくはほぼロフトの立ち上げから、その40年の歴史のはじめの1/4を付き合ったことになる。そしてこの本を読んで残りの3/4の歴史を知った。平野氏が長く日本を離れていたのもはじめて知った。ぼくも日本を離れて22年になる。お互いよくここまで生きてきたね。そしてもう少しがんばりましょう。


書店で平積みになっていたが、未だ購入出来ていない。
忙殺されている気がする。
購入予定。


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posted by 美結 at 10:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | は行の著者 | 更新情報をチェックする

2010年09月07日

ほんじょさんのエッセイでほんわか 本上まなみ『ほんじょの虫干。』と『ほんじょの鉛筆日和。』

ほんじょの虫干。 (新潮文庫)ほんじょの虫干。 (新潮文庫)
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ほんじょの鉛筆日和。 (新潮文庫 (ほ-14-2))ほんじょの鉛筆日和。 (新潮文庫 (ほ-14-2))
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本上まなみ『ほんじょの虫干。』と『ほんじょの鉛筆日和。』
飾らない文章で、日々の暮らしを原稿用紙に綴る。
本好きさんとは知っていたが、「食」に関しては頷きながら読む。

木屋の小出刃で大きな鯖をさばく。
この包丁は持ってます。
鯖はさばかないけど、魚を家庭で下処理するのには欠かせない。
家族はアラが苦手だけど、わたしが食べたいから、たまに調理する。
ほんじょさんの鯖の調理描写は、的確かつ食欲がそそる。
人によっては生々しいと閉じてしまう可能性が高いけど、食いしん坊なら分かるはず。

築地場外市場でコンブを買う。
子どものころは、実家でも鰹節削り機でかつおぶしを作り、煮干しでだしをとっていた。
現在、顆粒だしは殆ど使わない。
病気してから食に対する意識が変わってので。
しっかりだしをとった味噌汁は、家族も美味しいと言ってくれる。
多忙なほんじょさんは手軽に食べる技を伝授してくれる。

ウエスティンホテルの思い出、スープ、季節の献立。
他にも食べ物の話題が尽きない。

綺麗な女優さん。
でも、美容の話題がない。

そして、少しずつ買い集めた家具や小物、家族の話題。
生きていくってこういうことだな、と思う。
読んでいてほっとできるし、温かいぬくもり、洞察力、文章力など、天性の才能が本の中で輝いている。

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posted by 美結 at 08:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | は行の著者 | 更新情報をチェックする

2009年12月19日

容姿を変えること 姫野カオルコ『整形美女』

整形美女 (新潮文庫)整形美女 (新潮文庫)

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姫野カオルコ『整形美女』
容姿端麗な甲斐子(かいこ)と、目立つ顔立ちでない安部子(あべこ)は幸せは掴むため、整形手術をする。

プチ整形が流行ったのは数年前。容姿のコンプレックスを整形で克服。
大きくてパッチリした目が憧れという女性は多い。化粧品店ではアイメイク用品が充実。目が大きくて二重でまつげが長いわたしは、自然なメイクを心がけている。本を読みながら客観的になっていた。
甲斐子と安部子の行動は、女性の本音を対照的に映し出す。どちらにも感情移入はできなかったが、甲斐子のしたたかな部分は怖かった。
男性が女性を好きになる理由に容姿はあるのだろうけど(殿方によって好みは違う)、性格や趣味、しぐさなども気になるはず。
整形しなくても笑顔が素敵、箸使いが綺麗、手書きの文字が読みやすい、長所になることは沢山あると思う。
本当に幸せってなんだろう、と思える作品だった。
わたしもコンプレックスがないわけではないけど。。。
姫野作品は心理描写が一味違う。

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posted by 美結 at 09:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | は行の著者 | 更新情報をチェックする

2009年08月21日

吉川英治文学新人賞受賞、日本冒険小説協会賞受賞作品 福井晴敏『終戦のローレライ』

終戦のローレライ〈1〉 (講談社文庫)終戦のローレライ〈1〉 (講談社文庫)

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福井晴敏『終戦のローレライ』
bookデータより引用。
昭和二十年、日本が滅亡に瀕していた夏。崩壊したナチスドイツからもたらされた戦利潜水艦・伊507が、男たちの、国家の運命をねじ曲げてゆく。五島列島沖に沈む特殊兵器・ローレライとはなにか。終戦という歴史の分岐点を駆け抜けた魂の記録が、この国の現在を問い直す。第22回吉川英治文学新人賞受賞。


文庫化して直ぐに購入。昨年の夏に2巻まで読み、全4巻やっと読了。ローレライの設定は度肝を抜かれたが、軍人の気骨さ過酷、ナチスドイツのたくらみ、階級社会、原爆投下後の日本と現代社会まで描き、歴史が苦手で戦闘ものの知識がないわたしには、消化するには時間を有した。
本を読んでいて、軍人だった祖父を思い出していた。明治生まれとは思えぬ体形をしていた。当時170センチ以上あれば長身、肩幅もありがっしりした体格。子どものころに一緒に入浴したけど、お腹も出ていなかった。恵まれた体形と実直な性格が評価されていたようだ。しかし、終戦を迎え、わたしが社会人になったころ「日本がこんなに変わると思ってもみなかった」「田舎の山でも相続していたほうがよかったか」と、バブル景気のころ話していた。
話の大半は海上の作戦や戦闘だけど「終章」である歌詞を読んだら目頭が熱くなった。だれも知っている近代史。民主国家になり平和であるけど、世界に目を向けると「平和」ではない。また、豊か日本を書くことで、21世紀にしなければならないことが、押し付けがましく書かれていたことは好感が持てた。今月末は将来の日本を決めるかもしれない決断の日がある。この時期に読めてよかったと思う。
ヒューマンドラマでラストシーンが印象的。
大長編だけど、多くの人に読んで欲しいと思える本。
また、日本冒険小説協会賞受賞も受賞している。
タグ:福井晴敏
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posted by 美結 at 12:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | は行の著者 | 更新情報をチェックする

2008年12月02日

性差医療 帚木蓬生『インターセックス』

帚木蓬生『インターセックス』
インターセックス(半陰陽、小説などでは両性具有などと言われる)
生まれもった生殖器官で苦悩する人々。
模索する医療。

小説などではインターセックス(両性具有)は登場することがたまにあるが、現実では色んなケースがあって、タブーなことなどで、人知れずに苦悩する人々の気持ちを考えてしまった。
生まれつき身体などに特性があったり、病気でハンディを負うことなどもあるが、それをカバーする技術や医療は進んでいるのに、インターセックスは本人も周囲もまだ模索な段階。今後の医療や社会へ課題が突きつけられてきた。
男女の区別なく、自分らしく生きたいと思う人。
わたしはそういう人を応援したい。
テレビなどで性同一性障害などで痛み、苦しむ人が、白い目や心無い言葉がぐさぐさと突き刺さったカミングアウトして語る姿。
同じフィールドではないがインターセックスの人。
色んな意味で、身体と心の特性を理解する社会であることを祈りたい。

インターセックスインターセックス
帚木 蓬生

集英社 2008-08
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タグ:帚木蓬生
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posted by 美結 at 07:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | は行の著者 | 更新情報をチェックする