2014年07月14日

レイ・ブラッドベリ、伊藤典夫訳『華氏451度 新訳版』-旧訳より読みやすく、抒情的な文章

華氏451度〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF)華氏451度〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF)
レイ・ブラッドベリ 伊藤典夫

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レイ・ブラッドベリ、伊藤典夫訳『華氏451度 新訳版』。
旧訳も読んでいて、砕けた文章の感想が拙ブログに記録。
恥ずかしいけどリンク。
ネタばれがあります。
・液晶テレビ、ipod、携帯電話がある現代 レイ・ブラッドベリ『華氏451度』
http://greenfieldsgreen.seesaa.net/article/108108038.html

ネタばれがありますが、映画の感想もリンク。
・本を読むことを禁じられた世界を映像化 『華氏451』
http://greenfieldsgreen.seesaa.net/article/139838823.html

以下ネタばれがあります。
先入観なしに読みたい方はここまで。



旧訳より読みやすかった。原稿用紙の枚数が減ったことで、抒情的な文章が鮮明になった。小型の音楽プレイヤーの<海の海>は「巻貝」になり、「焚書官」は「昇火士」と訳された。「昇火士」となったことで、弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、行政書士などのように特別な技能を持ち、国家資格が必要な職業であることが浮き彫りになっている。昇火士は国家の役目を担い、本を焼くことが任務。人々は巻貝を耳に装着し、大型スクリーンの映像を垂れ流す。なんでも知ったような気にさせ、記憶力、コミュニケーション能力が低下。初めて読んだ時以上に、廃人になっている様子が如実になっている。年を追うごとに現実に近づいている。ネットでは新たなコミュニケーションツールが次々と開発されて、SNSといえばmixi、Twitter、FaceBook、LINEなどがある。確かに情報速度は速いが、SNS依存で治療が必要な方がいるのは事実。紙に印刷のアナログと、パソコンやスマートフォン、タブレットなどのデジタル表示した文章は理解度が違う気がする。なのでコンピューターを初めて触ってから30年が経過したが、電子書籍用のタブレット購入に至らない理由のひとつ。また心配や不安なことがあれば、本に逃避しても内容を覚えていないことがある。年ともに老眼や記憶力の低下は実感するが、体験したことブログに記録すること理解が深まることがある。Twitterで長文を書くのは難しいので、最近はブログで感想や思いを書いている。
これは『華氏451度』の感想なのか疑問だが、本を読むことが好きな方なら、少しだけ自問自答する時間があると思う。本が存在できないので、それを記憶する人々。印刷技術がない前は、手書きや口述で伝えていた時代があったことを思い出した。
最終的な感想は旧訳と変わらなかった。
本が好きな方には、是非読んで欲しい一冊。


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posted by 美結 at 10:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 翻訳本 | 更新情報をチェックする

2014年06月23日

追悼読書、ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』

アルジャーノンに花束をアルジャーノンに花束を
ダニエル キイス 小尾 芙佐

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ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』を再読。
著者のダニエル・キイスさんの訃報を知り追悼読書。初めて読んだのは1994年5月だったと思う。あれから21年が経ったが、本書は色褪せることなく名作。21年前に泣いた記憶はないが、今回はうっすら涙が浮かんだ。いや泣いたかもしれないが自信がない。

あらすじはドラマにもなったので有名だと思うが、幼いこどもぐらいしか知能がない青年、チャーリイが手術で天才並みの知能をもった。同じ手術したネズミのアルジャーノン。知識と肉体の成長が追い付かず悩み、過去とも対峙。幸せになるはずだったのに、運命の歯車はチャーリイとアルジャーノンを巻き込んでいく。

「経過報告」と題して日記が綴られ、日本語の特性を生かした翻訳が素晴らしい。最初はひらがなばかりで読み辛いが、徐々に知能が高まっていく様子が文字を通して伝わってくる。今まで理解できなかったことが分かる様子は辛い。子どもから思春期経て大人へと成長するが、チャーリイは駆け足ですすみ、苦悩し混乱する。もしアルツハイマーの特効薬や手術ならと考えていた。わたし自身が老いているとは少しずつ実感しているので、アルツハイマーの患者さんや家族の苦悩と似ているのかなと思った。また完治ががない病気やハンディギャップが医学で治ることは夢であり、実現できたらいいと思う。わたしも大病を患ったので医学の進歩に期待している部分はある。それでも幸せってなんだろう、と考えながらラストシーンで「やさしさ」「おもいやり」を忘れないようにしようと思った。
不朽の名作といっても過言ではないと思う。
そしてダニエル・キイスさんのご冥福をお祈りします。

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posted by 美結 at 12:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 翻訳本 | 更新情報をチェックする

2012年06月13日

母娘で乗り越える ドミニク・メナール『小鳥はいつ歌をうたう』

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ドミニク・メナール 北代 美和子

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ドミニク・メナール『小鳥はいつ歌をうたう』
話すことができない少女と読み書きのできない母親。失われた言葉をふたりは取りもどせるだろうか。第1回フナック小説賞受賞、アラン=フルニエ賞受賞

重くなりがちなテーマなのに、ラストは温かい感情に包まれました。
母の葛藤がとても痛い。
自責にとらわれる。
酒井駒子の挿画が、物語の1ページを巧く描いている。
コミュニケーションについて苦労がない方には、理解できないことも多いと思う。
本が読者を選ぶ。
読者が本を選ぶ。

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posted by 美結 at 08:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | 翻訳本 | 更新情報をチェックする

2012年04月22日

本屋で呼ばれた マーセル・セロー 村上春樹訳『極北』

昨日、本屋で平積み棚でマーセル・セロー 村上春樹訳『極北』が目にとまった。
「あとがき」を読むと、春樹さんからお叱りのお言葉が書かれていた。
この本を読まねばと即購入決定。
昨晩から読みだしたが、まだ全貌は見えてこない。
読んだら感想は書きたいと思う。

この本は全米図書館賞、アーサー・C・クラーク賞の最終候補となり、「主要な文学賞が見過ごした格別に優れた作品」に贈られるフランスのリナベルスェを受賞。

極北極北
マーセル・セロー 村上 春樹

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posted by 美結 at 21:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 翻訳本 | 更新情報をチェックする

2010年11月20日

孤島の少年たちは生き抜く  ウィリアム・ゴールディング『蠅の王』

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ウィリアム・ゴールディング 平井 正穂 William Golding

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ウィリアム・ゴールディング『蠅の王』
孤島に不時着した少年たち。
生き抜くのために狩猟本能が芽生える。

読みだしたら、ノンストップでした。
孤島での話だと映画だと『青い珊瑚礁』『キャスト・ウェイ』や最近映画化された『東京島』などを思いだした。
最初は楽園なのに、だんだんサバイバルになっていく。
暗闇の恐怖が、核心部分。
「暗闇」のどちらにも「音」が入っている。つまり聴覚だけで判断しけなればならず、火は安全のため、調理のために必要不可欠。
終盤は思ったより怖くはないが、万が一同じ境遇になら理性より野生が優位になってしまいそう。
人間の本能を、子どもに主人公にした寓話だと思う。

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posted by 美結 at 22:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | 翻訳本 | 更新情報をチェックする

2010年11月16日

無償の愛 シェル・シルヴァスタイン 村上春樹訳『おおきな木』

おおきな木おおきな木
シェル・シルヴァスタイン Shel Silverstein 村上春樹

あすなろ書房 2010-09-02
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シェル・シルヴァスタイン 村上春樹訳『おおきな木』
木はぼうやが好きだった。
大きくなるぼうやを長い目で見つめていた。

シンプルな絵本。
読み終わったら、切ない気持ちになった。
木とぼうやの関係を、親子に置き換えれば無償の愛。
好きな人との関係。離れていても好き。たまに会えればそれだけ嬉しい。幸せでいて欲しいと思える。
読み返す度に印象が変わりそう。

しあわせ。
ささやかしあわせ。
それは個人差があるもの。

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posted by 美結 at 22:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 翻訳本 | 更新情報をチェックする

2010年09月23日

児童書から学ぶこと 〜 モーリス・ドリュオン『みどりのゆび』

みどりのゆび (岩波少年文庫)みどりのゆび (岩波少年文庫)
モーリス ドリュオン ジャクリーヌ・デュエーム

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モーリス・ドリュオン『みどりのゆび』
裕福に暮らすチト少年.お父さんが兵器を作る人だったことを知り,驚きます.じぶんが不思議な〈みどりのゆび〉をもっていることに気づいた少年は,町じゅうに花を咲かせます.チトってだれ?


フランスでは『星の王子さま』と同じくらいに人気がある児童書。
普遍的なテーマは分かりやすく、説教くさくなく書かれている。
ジャン・ジオノ『木を植えた男』も似ている。
植物と平和は切っても切れない縁があるのだと思う。
この気持ちは大切にしたい。
子どもから大人までに読んでほしい1冊。

わたしにも「みどりのゆび」が欲しいな。

木を植えた男木を植えた男
ジャン ジオノ フレデリック バック

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posted by 美結 at 07:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 翻訳本 | 更新情報をチェックする