2012年11月21日

タイムリーな新書 津田大介『ウェブで政治を動かす!』

ウェブで政治を動かす! (朝日新書)ウェブで政治を動かす! (朝日新書)
津田大介

朝日新聞出版 2012-11-13
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津田大介『ウェブで政治を動かす!』
共著の津田大介+牧村憲一『未来型サバイバル音楽論―USTREAM、twitterは何を変えたのか』と『動員の革命 - ソーシャルメディアは何を変えたのか 』『情報の呼吸法』を出版順に読んで4冊目。
事実上の出版日は2012年11月13日で、その直後に衆議院解散、来月12月16日に選挙とシンクロニシティ。
解散が決まった日に本屋で平積みになっていたのを購入。
今までで一番読書時間がかかった。
それは情報の密度が高く、咀嚼しながら、過去を思い出しながらじっくり読んだから。
インターネットが普及して約17年。
情報ツールと欠かせないものとなり、政治にも反映された。
事例の中には知っているもの、知らなかったものなどもあり、より丁寧に解説。
語り口調で親しみやすい文章。
ここでいう政治は政治家であり、国民一人一人のこと。
2011年3月11日に東日本大震災、津波、原発事故と歴史に残る未曽有の天災と事故。
記憶が間違っていなかったら、津田さんは2011年3月10日の『クローズアップ現代』にゲスト出演し、ソーシャルメディアのあり方を話していた。
翌日、Twitterが情報ツールとして大活躍。
自治体が次々と公式アカウントを取得していった。
そして、日本は時代の局面に立っている。
ここで感想は、あえて事例などは紹介しない。
読んだ人が、それぞれに受け止めるべきことと思うから。
タイムリーな一冊なので、興味があればご一読を。

電子書籍Kindle版も同時出版。



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2012年02月15日

幻想的な世界 津原泰水『11 eleven』

11 eleven11 eleven
津原 泰水

河出書房新社 2011-06-16
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津原泰水『11 eleven』

11篇の短篇集。
読みだしたら面白くて一気読み。
3.11以降、フィクションをのめり込んで読むことが少なくなっている。
この本は非現実な幻想世界を優美に描いている。
現実逃避したくないわだかまりを払拭してくれた。
ただ、読む人を選びかもしれない。
優美とは書いたが、綺麗と残酷な部分が共存。

自分の読書傾向をみると、万人受けする作品よりコアな作品が好きみたい。
多少のエログロも大丈夫。
ボーダーラインを越えるのもフィクションならOK。

特に『五色の舟』はよかった。
先入観や前情報なしに読むことをお勧めしたい。

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2010年03月19日

食いしん坊が惹かれた時代小説 高田郁『八朔の雪』

八朔の雪―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-1 時代小説文庫)八朔の雪―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-1 時代小説文庫)

角川春樹事務所 2009-05
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高田郁『八朔の雪』
神田の「つる家」で大阪出身の澪は調理場を任せれられる。
江戸と大坂の味付けの違いに戸惑いながら、料理を端正込めて作る。
澪の味付けは江戸っ子の舌に合うのだろうか?

読んでいて「美味しいそう」と思ってしまった。
江戸時代でなくても東日本と西日本では食文化が違う。味付け、定番料理の材料の違いなど。その違いを意識しながら、料理を作る澪。「美味しいもの」を食べてもらいたい、というまごころがひしひしと伝ってくる。江戸っ子気質が物語の隠し味になっている。見え隠れする大坂時代のことなど、人情もあって楽しめた。
巻末にはレシピも掲載しているのもユニーク。
東京育ちで江戸弁を話す人もいたので、話し言葉からも江戸が伝わるいうにしてほしかった。江戸っ子は「し」や「ひ」が言いづらい。子供のころ、布団は「ひく」と思い込んでいた。
と、言いながらも、すっかり物語の世界に惹きこまれれていた。

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2009年10月18日

戦後の文学史 田邊園子『伝説の編集者 坂本一亀とその時代』

伝説の編集者坂本一亀とその時代伝説の編集者坂本一亀とその時代

作品社 2003-06
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田邊園子『伝説の編集者 坂本一亀とその時代』
河出書房で辣腕を奮った編集者、坂本一亀。
生み出した作品を振り返る。

坂本一亀氏は音楽家・坂本龍一のお父様。坂本龍一のファンであるわたしは著作など話されていて知っていった。坂本龍一が父の功績を本にしたい、とお父様の知人に託した。企画自体はお父様がご存命のころから始まり、一亀氏も編集に携わり死後出版。
三島由紀夫の処女作『仮面の告白』を編集し、坂本龍一が誕生する前後には野間宏『真空地帯』に没頭。未読の作品が多いけど、戦後の文学史が分かる。今は絶版になっている本もある。気骨な精神で本を編集した姿は、坂本の父ということを抜きにしても興味深く読めた。たまに登場する龍一少年から坂本家のひとこまがあったりした。
また、倉橋由美子が坂本一亀と出会っていたら・・・どうだったのだろう?
子どものころからの読書家ではないし、実家にあった日本文学全集と世界文学全集も読まないできたが、この数年、現代語訳、新訳で読むことが多くなっている。時代背景、その時代の暮らし、世俗など新たに知ることが多い。そして一冊の本が出来上がるまでには、それぞれエピソードがあるんだと思う。
伝記ではあるが、本好きな方なら興味深く読んでもらえると思う。
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2009年10月17日

千早茜『魚神』が泉鏡花文学賞受賞。

魚神魚神

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泉鏡花文学賞:千早茜さんの「魚神」が受賞
毎日.jp
http://mainichi.jp/enta/art/news/20091017ddm041040113000c.html

受賞おめでとうございます。

感想は以下にリンク。
第21回小説すばる新人賞 千早茜『魚神』
http://greenfieldsgreen.seesaa.net/article/121349003.html
タグ:千早茜
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2009年06月12日

第21回小説すばる新人賞 千早茜『魚神』

魚神魚神
千早 茜

集英社 2009-01-05
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千早茜『魚神』
読み方は「いおがみ」。
21回小説すばる新人賞受賞。

島の遊郭で娼婦の白亜、弟のスケキヨ。姉弟の感情を軸に、島の伝説が重なる幻想的な小説。

読書ブログで紹介していて、鵜野亜喜良の挿絵に惹かれて読みました。
遊郭が舞台なので男女の交わりの表現はあるけど、露骨で過激な描写がない分、想像を喚起させられる。
小娘の白亜が親の顔も知らずに育ち、弟のスケキヨと一緒に婆に育てられる。いつかは娼婦になるだ、と町の資質を受け入れ客と交わる。白亜には離れ離れになったスケキヨから思われる媚薬が届き、客を魅了する。
「なんていい香りなんだ」
媚薬の芳香が漂ってきて幻覚のよう。
スケキヨと白亜に関係が、姉弟以上に強い絆で結ばれ、読み手をぐいぐいと惹きつける。夢物語であり、愛を描き、男女、親子の関係を鋭く綴る。水中に浮かんだような感覚に包まれ、心地よくもあり、切なさが残った。
まだ、島から心が離れない。

受賞記念スペシャル対談
千早茜×花村萬月
親が喜ぶ小説は書かなくていい!
以下のサイトで読めます。
試し読みもどうぞ。
http://renzaburo.jp/shinkan_list_r/temaemiso/090105_book02.html
タグ:千早茜
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2009年04月15日

町の異界譚集 恒川光太郎『草祭』

草祭草祭
恒川 光太郎

新潮社 2008-11
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恒川光太郎『草祭』
「美奥」を舞台に綴られる連作短篇集。
第一印象はホラー色が強いと思っていたが、不思議なこと、少し怖いことが起きるけど、日常生活から異界の境界線が曖昧な部分が魅力を感じた。町の伝承物語的で、できればシリーズ化して欲しい。
郷愁を誘う部分もあって、表紙の装丁のような物語。
ここからはネタバレしないようにメモ。

・けものはら
町の野原の秘密。
視覚、感覚、もの。

・屋根猩猩(しょうじょう)
手紙と任務。
憎悪と拡声。
起承転「結」。

・くさのゆめものがたり
毒性植物。
幻惑。

・天化(てんげ)の宿
苦しみを解く天化のゲーム
ゲームはクリアできるのか。
双子。

・朝の朧町
不思議ないきもの、のらぬら。
町並みの記憶。
過去と現実。

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