2009年05月10日

中山可穂『ケッヘル』が文庫で発売。

ケッヘル〈上〉 (文春文庫)ケッヘル〈下〉 (文春文庫)

中山可穂『ケッヘル』が文春文庫で発売。
モーツァルトが全編に流れる小説。
音楽、恋愛、ミステリーと多才な内容で、一気に読んだ作品。
とてもインパクトがあった。
大きなネタバレはしていませんが、感想はこちら
多くの人に読んで欲しいな。
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2008年02月17日

モーツァルトを巡る人生 中山可穂『ケッヘル』

ケッヘル〈上〉ケッヘル〈上〉
中山 可穂

文藝春秋 2006-06
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中山可穂『ケッヘル』
逃亡生活をしていた伽耶は海辺で指揮をする男、通松鍵人と出会う。通松はモーツァルトについて熱弁し、人生の指針までしていた。モーツァルトを巡る人生が奏でられる。

この本を読んでいる間、いくつかの偶然が重なり合った。本を読み終えた昨晩は映画『アマデウス』がBSで放送していた。アカデミー賞を受賞直後に鑑賞し、本を読みだすと『アマデウス』の映画音楽が頭で鳴り響いていた。映画は録画予約をした。また、昨日の午前中はテレビを何気なくつけたらある番組が目に留まった。『新日本紀行 ふたたび』で宮崎県高千穂での一晩中、神楽に併せて舞を踊る神事を取り上げていた。なぜか真剣に見入ってしまった。午後から『ヘッケル』下巻の「第6章6」を読み出した。前夜、読んだ時は高千穂の地名があったのは覚えていたが、数時間前にテレビで見ていた神事が出てきて驚いた。アンテナの感度が高まると、関連することを見た、聞いたりすることが多いので呼ばれたんだなぁと思う。



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2008年01月29日

家族のありかた 中山可穂『サグラダ・ファミリア 聖家族』

サグラダ・ファミリア 聖家族サグラダ・ファミリア 聖家族
中山 可穂

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中山可穂『サグラダ・ファミリア 聖家族』
ビアンのピアニストの響子はルポライターの透子と恋に落ちた。透子は子供が欲しいと願うが、女性同士ではその希望は叶わなかった。
それから数年後、透子から連絡があり、母になったと連絡があった。再会。ところが透子が事故死。忘れ形見の桐人は親族にたらいまわしあい、響子は決意をする。

中山可穂の本は読み出すと止まらない。本が手を離してくれない。
愛する人を失う悲しみ。響子はぼろぼろになり桐人は幼心に戸惑い、行動は胸が詰まり涙が潤む。永遠の別れ。生きていればどこかで会えるかもしれないが、死んだ人を想うことはできても、その温もりを感じることは二度とない。
以下核心部分を触れています。



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2007年10月08日

山本周五郎賞受賞 中山可穂『白い薔薇の淵まで』

白い薔薇の淵まで (集英社文庫)白い薔薇の淵まで (集英社文庫)
中山 可穂

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中山可穂『白い薔薇の淵まで』
山本周五郎賞受賞。

わたしは新人女性作家の塁と出会い、恋に落ちた。わたしと塁は激しく求めあい、傷つけ何度も別れたが、その度に深く、天高い場所へ、且つ戻れない場所へ着ていた。それは塁の過去に関わっていた。

わたしと塁の壮絶で身が引き裂かれるような同性愛。まるで磁石のマイナスとプラスがすこんと引き合い離れない、強い磁力が働いているふたりの関係。愛情の深さや重みや痛みのエピソードの数々がリアルに伝わる。
例えば香りの話。あのブランドといえばMだろうか、そのブランドのいえば代表的なP。バブルのころ一世を風靡したPは残り香が強く、代名詞的な表現にもなっていた。でもPはリニュアールして今の香りは優しくなっていると嗅覚を刺激する。それともブランド名のあの香り?なぜか記憶の引き出しが開きつつ、昨晩、ドレッサーの中の香水を眺めていたことも不思議な感覚となっていたが、香りを纏う事はあまりありません。再び物語の世界へ入っていく。
終盤判る塁が探していたもの。あまりにも切なかった。本の冒頭をもう一度読み直していた。魅力というか魔力の凄さが、再び怒涛のように押し寄せくる。大きな波が何度何度も。
この感覚は小池真理子の『』や『欲望』を読んだ時と同じだった。数秒また数分本から離れてを繰り返し、一気に読み終えていた。
反復、反芻してしまう。

山本周五郎賞受賞記念エッセイは笑える。可穂さんはお嫌いなのかもしれませんが、それをわたしは好きです。このブログのあちこちらに散っていますから。頂けるなら沢山欲しいです。更に文庫にあとがきに記されてある名前。その方の作品を今一番観たいと思っている。
なぜか色んな引き出しや扉が開いてしまう小説でした。

明日の本屋に行き、中山可穂の本を選んでいそうな気がする。
満身創痍の作品。
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2007年10月07日

旅の行き着く先 中山可穂『天使の骨』

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中山 可穂

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中山可穂『天使の骨』
劇団を解散し全ての希望を失ったミチル。ミチルは当てのない海外旅行へ旅立つ。

前作『猫背の王子』に比べて激情的な表現は少なくなり、虚無感がミチルを襲う。土砂降りの中の捨て猫になっている。捨て猫は「ニャーニャー」鳴き、道行く人の目にとまる。「さむいだろ?」と抱きかかえてくれる人。「お腹すいているでしょ」と鞄からビスケットを出してくれる人。・・・みたいな旅を続ける。だけどミチルの周囲には天使が微笑んでる。この旅の終着点はどこなのだろうか? という気持ちがどんどん強くなり、またまた一気に読み終える。時計を見ると午前1時。約3時間半、この世界に没頭し、ミチルはわたしを寝かせてくれなかった。
布団に入っても頭は冴え渡っていた。
それは「マクベス」。
2002年。メールの公演情報が届きなにげなく読んでいた。蜷川幸雄演出『マクベス』。キャストは唐沢寿明、大竹しのぶ。この時まで、観劇の趣味は数年間封印していた。でも、観たい気持ちが募り幸い完売していなかったので、マチネでシアターコクーンの二階席の一番後ろを入手。二階席から舞台を観る。ステージの後ろには全面ガラス張りになっていて一階席が映りこみ奥行きを出し舞台の全景が見渡せる。そして唐沢さんや大竹さんの演技を食い入りように観ていた。そのシーンとこの本が重なりあい、わたしの好きものが呼応し共鳴した。
やはり、芝居が好きなんだ。そう思える一冊。
ミチルのその後が知りたいし、芝居を観たい。
「ミチル、元気?」
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2007年10月03日

これも愛、あれも愛、きっと愛 中山可穂『深爪』

深爪 (新潮文庫)深爪 (新潮文庫)
中山 可穂

新潮社 2003-05
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中山可穂『深爪』
ナツメと吹雪は恋に落ちた。二人は女同士で吹雪は既婚者で子供の嵐がいた。吹雪の夫のマツキヨは、ふたりの仲を知ることとなる。

修羅場でどろどろかと思いきや、登場人物は皆、愛情深い。それは恋愛以外の愛が描かれるいるから。後半の新宿御苑のお花見でのお姉さんたちに噴出してしまった。
恋愛の尺度は測ることは出来ないし、相手があって成り立つもの。ナツメ、吹雪、マツキヨ、と詩人、それぞれも愛の重さを感じ、母性と父性についてはこんなアプローチがあったのだと。
よく女をわかっている。うーん、わたしも女ですけど。。。

クラシックが何度か流れている場面があった。一番読みたい『ケッヘル〈上〉』を昨年発表している。この本は、腰を据えて読まないと。

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2007年10月02日

演劇に情熱を傾ける王子 中山可穂『猫背の王子』

猫背の王子 (集英社文庫)猫背の王子 (集英社文庫)
中山 可穂

集英社 2000-11
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中山可穂『猫背の王子』
自らの劇団の脚本、演出、役者をしている王寺ミチル。ミチルは少年ののような容姿であり、同性愛者。全神経を集中させ、芝居に取り組んでいた。

年数回は舞台を観にいっているわたし。この本を読んでいると、台詞が聞こえてきて、登場人物が動き出す。効果音、BGMも幾度なく聞こえた。場面転換で息を飲む瞬間も、観劇をしている感覚にとても似ていた。著者が演劇をしていた経歴を知り合点した。この本は演劇そのもの。著者の作品は同性愛が多いとは聞いていたが、その部分も王子ミチルをチャーミングしている。ミチルのファンの少女たちのようにお熱を上げていた。まして痛々しいミチルを何とかしてあげたい気持ちと、冷静に読んでる自分もいた。逃避世界に強引にさらわれ、現実に戻るのに暫く時間がかかった。ああぁ、ピアノの調べが聴こえてくる。

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