2010年10月05日

溺れた男の物語 ポール・トーディ『ウィルバーフォース氏のヴィンテージ・ワイン』

ウィルバーフォース氏のヴィンテージ・ワイン (エクス・リブリス)ウィルバーフォース氏のヴィンテージ・ワイン (エクス・リブリス)
ポール トーディ 小竹 由美子

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ポール・トーディ『ウィルバーフォース氏のヴィンテージ・ワイン』
ワインの芳香が鼻腔を突き抜ける。
内容としては暗くなりがちなのに、悲壮感がなく、ブラックユーモア、ピリッとスパイスが効いて小粋。
読んでいて楽しかった。

ウィルバーフォース氏の人生。
彼の人生を知れば知るほど、何故? どうして? と思ってしまう。
終盤、妙な合点。
曲者だったのか・・・
しかし、どこで間違ってしまったのだろう。

ネタばれしないように書いています。
依存症の行く末。

何か熱中することはあるけど、ここまではない。
教訓と読むか、痛いところを突かれたと思うか、読み手の生活や習慣で変わる。

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posted by 美結 at 08:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 白水社エクス・リブリス | 更新情報をチェックする

2010年03月17日

フランス文学賞の最高峰<<ゴングール>>受賞 アティーク・ラヒーミー『悲しみを聴く石』

悲しみを聴く石 (EXLIBRIS)悲しみを聴く石 (EXLIBRIS)
Atiq Rahimi

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アティーク・ラヒーミー『悲しみを聴く石』読了。
白水社エクス・リブスシリーズ第5弾。
アフガニスタン出身の亡命作家の作品。
それまではダリー語(アフガニスタンで使われるペルシャ語)で執筆。
本作はフランス語で書かれ、フランス文学賞の最高峰<<ゴングール>>を受賞。

裏表紙から
原題の「サンゲ・サブール」とは、ペルシア語っで「忍耐の石」。その魔法の石に向かって、人に言えない不幸や苦しみを打ち明けと、石はそれをじっと聞き、飲み込み、ある日、粉々に打ち砕ける。その瞬間、人は苦しみから解放される、というペルシアの神話からとられている。


植物人間になった夫を介護をしながら、過去の過ちを赤裸々に告白する妻。
その秘密を語るシーンで、苦しいというか、やるせない気持ちになった。
翻訳小説としては読みやすいし、情景も浮かぶ。
だからこそ、生々しく響いてくる。
焦燥感、虚無感、悲壮感が漂うが好き。
行間を読み、作家のバックボーンを知り、余韻というか、静寂なラストは、舞台を観ているような感じだった。

ただ、好き嫌いは分かれると思う。
158ページの中には作者の凝縮した思いが込められている。
丁寧に読み飛ばさないように再読したい。
言霊って大切。

3月27日(土)BS2『週刊ブックレビュー』で桜庭一樹さんが書評予定。
http://www.nhk.or.jp/book/prog/index.html

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posted by 美結 at 12:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 白水社エクス・リブリス | 更新情報をチェックする