2020年06月17日

2019年4月、5月、6月に読んだ本

2020年ですが、2019年4月、5月、6月に読んだ本です。
お勧めは川瀬七緒『テーラー伊三郎』、古市一絵『きまぐれな夜食カフェ - マカン・マラン みたび 』と、中島京子『夢見る帝国図書館』。


■図書館の魔女 第一巻 (講談社文庫) 高田大介
著者は言語学者で、本書でメフィスト賞受賞。原稿用紙3,000枚に身構えてしまう。キリヒトとマツリカの邂逅は、第1回メフィスト賞受賞の『すべてがFになる』で、西之園萌絵と真賀田四季との初対面を彷彿させ、マツリカの言語解析能力に圧倒された。素馨は華道の花材で使っていて、気になって調べたらジャスミンで漢字では茉莉花(マツリカ)だった。マツリカとキリヒトとの今後がとても気になる。

■鳥の王さま ---ショーン・タンのスケッチブック ショーン・タン
最初に好きな画家のパウル・クレーの言葉が引用されている。ショーン・タンが作品を発表する前の数々のスケッチ。見覚えのある絵もあるが、絵それぞれが語りかけてきて物語が創作できそう。

■アライバル ショーン・タン
文字のない絵本。移動、伝達、思い出、辛い記憶まではわかったが、ラストが繋がらない。想像力が足りないようだ。

■テーラー伊三郎 川瀬七緒
男子高校生の海色は母子家庭で、母は官能系漫画家。母のアシスタントをした経験が、寂れた町で職人が作ったコルセットに魅了される。著者は服飾の専門学校を卒業後にアパレル経験者。登場人物が個性が強い方ばかりで、アニメか漫画で読みたいぐらいに、脳内で再現できない素敵な描写が多数。自分らしさって大切だなあと面白く読んだ。今年は彩瀬まる『珠玉』、千早茜『クローゼット』など衣服をテーマの本を読むことが多い。

■きまぐれな夜食カフェ - マカン・マラン みたび (単行本) 古内一絵
マカン・マラン第三弾。派遣でオペーレター業務をしている女性は疲弊していた。ストレスの吐け口はネット。ネガティブな感情がわたしには全くないと否定できない。そしてシャールさんと出会う。そのレシピを思わず検索。料理人として才能を開花されるであろうと言われた青年は行き詰まっていた。この章で始めて知った習慣。離婚を決意した女性とシャールさんとの出会い。ご近所さんの老婆のシャールさんの生き方。体調不良だと料理は手抜きになりがちになるけど、「食べることは生きること」が信条なので、できる限り手作り。出汁も煮干しや鰹節、だしパックを使用。化学調味料を使わないようにしようと思ったのは、昔、大病を患い、苦しい治療を終えてから暫く経ってから。偏食では、なかったが、身体に必要なのものが不足していた自覚がある。ちょっと苦い話もあるが元気が出てくる小説。

■トリニティ 窪美澄
出版社で知り合ったイラストレーターの早川朔(妙子)、フリーライターの登紀子、事務職の鈴子の半生。性描写が多い著者にしては淡々としている。ウーマンリブ、男女雇用機会均等法を経た現在でも「me too 運動」があって女性の幸せ、平等はどういうことなのかなと思うことはある。時代を象徴する出来事、固有名詞が出てくるが、シニア世代や若い世代が、その潮流を理解できるか懐疑的。またモデルに習ったイラストレーターさん編集の雑誌を定期購読していたので、あくまでフィクションなんだあと思った。昭和の頃、紙おむつ販売前は、赤ちゃん用の肌着はおしめと言って、おむつは防水仕様のものを指していたと記憶。悪くはないが、些細な事が気になった読書だった。

■永遠の森 博物館惑星 (ハヤカワ文庫JA) 菅浩江
続編『不見の月』が出版なので再読。何を美しいと感じるかは個人差があるが、絵画や舞台、音楽で言葉で言い表すことができない感動や感銘を受けた時、多幸感に充たされる。デジタル化が進み、出来事が瞬時伝わる21世紀。それでも、デジタルでは伝えきれない五感で感じる美があると思う。

■夢見る帝国図書館 中島京子
歴史小説、ある女性の生涯、図書館の物語など幾つものお話が詰まった作品。舞台の谷中は祖父母のお墓参りに行くので、街並みがわかり親近感があった。面白くてあっという間に読み終わり、ラストが見事で余韻に浸った。


図書館の魔女 第一巻 (講談社文庫)
図書館の魔女 第一巻 (講談社文庫)

鳥の王さま ---ショーン・タンのスケッチブック
鳥の王さま ---ショーン・タンのスケッチブック

アライバル
アライバル

テーラー伊三郎
テーラー伊三郎

きまぐれな夜食カフェ - マカン・マラン みたび (単行本)
きまぐれな夜食カフェ - マカン・マラン みたび (単行本)

トリニティ
トリニティ

永遠の森  博物館惑星 (ハヤカワ文庫JA)
永遠の森 博物館惑星 (ハヤカワ文庫JA)

夢見る帝国図書館
夢見る帝国図書館


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posted by 美結 at 16:35 | Comment(0) | 月次読了本 | 更新情報をチェックする
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